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私がシングルマザーのサポートグループを始めたのは、1996年のことだからもう11年前になる。当時とはだいぶしんぐるまざあず・ふぉーらむのメンバーも入れ替わったのだが、そのころもけっこうみんな活発にいろんなことに取り組んでいた。 私は当時、非婚のシングルマザーの会が出発しはじめたころで、初めてそういうグループができたことを、とっても革命的に思っていたし、また本も最初に出版し、それが非常に好評であったので(もう少しで「山川菊栄賞」という非常に歴史のある賞まで受けるところだったのでみんなで舞い上がったものだ)貪欲に取り組んでいたころだった。 北京世界女性会議にも行き、そこで世界のシングルマザーに出会って、オーストラリアのSCSMCのリル・ワルシュに会ったのもそのころ。それで翌年にはリルが講演をしにきてくれた。(で、我が家にも泊まった) ちょうどそのころ、ピアカウンセリングということを知り始めた。 私は、そんなに活発に活動していながら、どうやってグループの意見を調整していいのかわからなくなることが出てきた。Aさんの聞き役もBさんの聞き役もしながら、意見が調整できずはざまで苦しむこともあった。 何かがちがうのではないかと思って、いろいろなことを知りたいと思ってもがいた。 そしてコウ・カウンセリングを知った。 安積遊歩さんや、その仲間たちが、やっている「お互いに聞きあうこと」「感情を出していくことで再評価すること」が、自分にも必要だと思った。 コウ・カウンセリングの40時間のクラスを受け、その後にも継続してカウンセリングを学んだのはそのころだ。 いっぱい泣いた。もともと涙もろいし、感情のハードルは低いので、ずいぶん泣いたり怒ったりしながらやったものだ。ちょうど遊歩はそのころ、40歳で、骨形成不全という障害をもちながら、子どもを産むというチャレンジをしていて、そんな彼女を臨月のときに講演に呼んでしまったのもまあなつかしい思い出の一つだ。 そして、ピアカウンセリングをシングルマザーのグループに役立てたいと思ったのは、リルが来るころにいろんな意見の違いをこうした手法をもとに乗り越えたいと思ったからだ。そうそう、リルも、コウ・カウンセラーだったのには、ほんとうにびっくりしたし、そうなんだ、と思ったものだ。 1年間、うららといっしょにクラスをやって、ほんとうに泣いたりしあいながら、手探りでサポートグループをつくっていった。ピアというのは「仲間」という意味だ。同じバックグラウンドをもつ人々が支えあうことで、お互いに力を得ていくのがピア・カウンセリングである。 障害者を支えていくピア・カウンセリングは、厚生省のお墨付きまで得るようになっていった。 その後もメンバーを変えながら、1年クラス、お泊りクラスなど、サポートグループを何度も繰り返した。 うららが「なんで早くリーダーをやらないんだ」と私たちをなだめすかしながら、少しずつ育ててくれた。 うららがいるところで、最初のデモンストレーションをやったときのことはよく覚えている。ほんとうにまっすぐ相手をみながら「よく来たね」「ほんとうによく来たね」と言っただけで彼女が涙ぐんでいった。そうやってお互いが殻をやぶっていくことが少しずつできるようになっていくのだった。 今は、当時のサポートグループと随分様変わりしながら、それでもシングルマザーのサポートグループを継続しつづけている。 横浜では継続的に女性センターで行っている。 また、都内でも数箇所でやっている。 そして、また、講演を頼まれるときは、かならず、グループワークをやってもらうようにして、そこで、サポートグループ的な交流を行う。 ピア同士が出会い、時間を共有し、お互いの話をすることは、ほんとうに力を出していくのに有効な手法だと実感している。 毎回そこで、緊張してきた人が自分の話をするだけで泣いてしまう人も涙ぐむひともいる。ないでもいいよ、と言ってあげる。ほっとすると涙がでてくるのだ。 そしてちょっと先輩を行くメンターのような人の話を聞いたり、実は自分がメンターになれると気がついて自己肯定したり、さまざまな中で力を得ていく。 2時間たって、最後には、表情が変わっている。明るい顔になるのだ。それが私たちリーダーの喜び。 そして、この手法を少しずつ伝えながらサポートグループのリーダーをやってくれる人が増えたのもうれしいことだった。 さて、今回、NHKが「ハートを繋ごう」という番組で、番組の中でピア・カウンセリングをやりたい、と思って声をかけてくれたことはとてもおもしろいとりくみだと思っている。私も昨年の発達障害の子どもを持つ親たちが出てくるその番組をみながら、おもしろいことをやっているなあ、と思ったものだ。 だが、このあいだ、収録のためにNHKに行って、見ているときと、実際に番組に出ることはだいぶ受け止め方がちがうのだということに気づいた。 まず、ほんとうのピアではないということ。当然だが、視聴者の一般の人とつなぐために、ソニンさんと石田衣良さんのふたりがいた。 石田さんは、シングルマザーのアライ(共感者、応援者)としての立場を明確にしていてそんなに違和感はなかったし、突っ込まれることをいやがる人ではなかったのだが、ソニンさんは、全く普通の感覚で「でも子どもはどんなふうに感じるのでしょう」という。これは ピア・カウンセリングが、批判などを受けることなしに「ほんとうに安心できる環境で自分の話をする」という設定と大きくずれてしまうことになる。でもゼンゼン悪気はないので、それでもしかたないかあみたいには思うのだが…。ソニンさんのような人がいなかったら番組がまったく一般視聴者とずれてしまうのだから仕方ないのだーということでもあるのだろうけれど。 また、私やNPO関係者や研究者が、ほんとうのピアとしていさせてくれないことも、葛藤だった。シングルマザーとして生きてきた体験から話したほうが親しみがわくだろうが、感想や高みにたった意見を述べさせてしまう。 研究者の人がデータをもとに話をしたり、こんなにシングルマザーは大変であるということを強調することも、ピア・カウンセリングとはずれてしまうのだ。また、援助もそれぞれにちがう手法をもっている人がいて話すというのもあまりよいことではないのかもしれないのだった。 そして、元気なシングルマザーの人はいいのだが、まだ迷いを抱えていたりするシングルマザーが出てきて自分の状況を話すのに、きちんと役に立つ情報を与えず中途半端に話がうつるのもなんとも困ったなあを思っていた。 結局、なんちゃってピアカウンセリングなのだし、見ている一般視聴者と、見ているシングルマザー両方にわかりやすい番組に、と思うとこうなるのかもしれないのだが、その場に3時間もいる私にとってはけっこうなストレスとなった。最後にはほんとうに芯から疲れた。人の話を聞くということはサポートグループでもかなりの集中力を要するし、それをさらに番組の中でやるということ、さらに、思ったように運営されてはいかないのだが、いかんせん、心の問題に中途半端に手をつけているということが原因だろう。 昨年も番組に出た人が、昨年の出演者でうつになっちゃった人がいてね、というのを聞いて、ああ、心のふたを少しだけ開けてしまったら、あとでいろいろたいへんだったのかなあと思ったりもした。 さて、放映はまだ先。どんな番組になるのであろうか。 ディレクターの人が、「ピア・カウンセリングとは」と私に講義までしてくれたのだから(もちろん、知っているんだけどね)、少しはそこに近づこうと努力しているのだと思って、期待したいもの。それから、遊歩だったら、うららだったらどうしたかな、と頭の片隅で考えて、もっともっと自由にふるまってもいいのではないかなとも(もちろんけっこう自由にふるまってはいたのだが)思った。 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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初めてコメントします。 |
じゅんパパ 2007/05/26 00:20 |
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